ズートホーン00のこれからどうスラッヂ

「これからどうする?」の土佐弁「これからどうすらぁ?」とMy Favoriteロックンロールバンド「ザ★スラッヂ」をかけて、一時どこかで流行った言葉。そんな、将来への不安をこじらせたような物言いをいまも引きずる、たっすい(頼りない)ブログ。

『僕の歩く道』

知的障害で10歳程度の知能しかもたない、31歳の自閉症の大竹輝明。
動物園で飼育係をしています。お母さんはいます。お父さんはいません。2003年に死にました。
甥の幸太郎くん(兄の子供・小学生)は優等生ですが、じつは勉強よりもゲームに夢中です。
ある日、幸太郎は遠足で輝明おじちゃんが勤める動物園に行きます。
幸太郎がきたこともあり、輝明おじちゃんは暗記している天竺ネズミの解説をまかされましたが、大勢の子供たち、しかも幸太郎がいる前では緊張していえないのでした。
そのせいで幸太郎ははずかしくなってしまいます。

その話をきいた輝明の妹・りなは幸太郎にいいました。
「輝明おじちゃんはね、ツールドフランスの歴代優勝者をぜんぶ暗記してるんだよ」でも幸太郎はそんなこと信じません。
ある時幸太郎は、日曜日に野菜を切っている輝明を見ます。
輝明はお母さんに「ガスを使ってはいけません」といわれていました。
「約束は守らなければいけません」と輝明。
幸太郎はふと悪い心が生まれ、輝明おじちゃんにお金をもらい、こう頼みます。「ぼくにお金をくれたこと、誰にもいわないでね。約束だよ」。

数日後の夕食の時、輝明のこずかい帳を見た兄の秀治は輝明を責めます。
「だれにあげたんだ?」
「約束は守らなければいけません」と輝明。

でも輝明はお母さんに「うそをついてはいけません」とも言われていました。
その席には幸太郎もいましたが、もちろん打ち明けることはできません。
「約束は守らなければいけません」「うそをついてはいけません」
この2つを交互に思い輝明はパニックに陥り、突然うわ言のようにツールドフランスの歴代優勝者をつぶやきはじめるのでした。
パニックに陥るといつもこうなるのです。

りなは、このときお金をもらったのは幸太郎だと直感します。りなも昔輝明にお金をもらったことがあったから。

翌日りなは幸太郎を外に呼び出し、「お金、何に使ったの?」と問いただします。「輝明おじちゃん、約束やぶったんだ」「輝明おじちゃんは何もいってないよ。だれだって約束は破るし、うそもつくけど輝明おじちゃんは違うの。『約束は守らなければいけない』ことも『嘘をついてはいけない』ことも両方守ろうとしたの。それって、幸太郎にできる?」
幸太郎はお金をゲームに使ったことを打ち明けました。

一方輝明は相変わらず子供達を前にすると、天竺ネズミの解説が言えません。幸太郎にはずかしい思いをさせたことも精神的に障害になっていました。

幸太郎は輝明にお礼を言わなくてはと思い、日曜日に野菜を切っている輝明に声をかけようとします。輝明のお母さんは買い物に行って留守です。突然鳴る電話。輝明は電話に出ることも訓練の一つでした。
「お母さんいますか?」とセールスマンの声。
「お母さんはいます。お父さんはいません。2003年に死にました。」と輝明。「お母さんに変わってもらえますか」「いません」
「ふざけてるんですか」「ふざけてはいません」またまたパニックに陥りそうな輝明。幸太郎は、輝明に電話を変わって、と受話器を引き取ります。
「どちら様ですか。セールスですか。セールスはお断りです!」
電話を切る幸太郎。「………ありがとう」と輝明。
先にお礼を言われて幸太郎ははずかしくなりましたが、思いきって言いました。「ありがとう。…約束、守ってくれて」。
幸太郎が部屋に戻ろうとするとき、輝明はずっとひっかかっていたことをききます。「幸太郎、怒ってる?動物園のこと」「怒ってないよ」と
満面の笑顔で応える幸太郎。

翌日、大勢の子供達を前にした輝明。飼育係の先輩がいつものように輝明に声をかけます。「大竹さん、天竺ネズミの体長は?」
しばしの沈黙の後、輝明はついにつかえが取れたように、澱みなく話しはじめるのでした。「…テンジクネズミの体長は20?から30?で、体重は雄が900gから1200g、雌が800から1000gです。耳が丸くて………」


(『僕の歩く道』第3話大意)

オススメです。

 

僕の歩く道』動画

http://www.f-drama.com/drama/ho/bokumichi06/