ズートホーン00のこれからどうスラッヂ

「これからどうする?」の土佐弁「これからどうすらぁ?」とMy Favoriteロックンロールバンド「ザ★スラッヂ」をかけて、一時どこかで流行った言葉。そんな、将来への不安をこじらせたような物言いをいまも引きずる、たっすい(頼りない)ブログ。

「不潔恐怖症」Tさんのこと


 かつて現場仲間だったTさんとはもう20年以上のつきあいになるが、いまだにわからないことが多いオモロな人である。とくに「不潔恐怖症」と自分で分析しているその性癖が興味深い。以前真冬でも半袖半ズボンで銭湯にいく話をしていて、そのことがひっかかってて改めて訊いてみた。
 するとやはりこの冬も毎日深夜自転車に乗り、半袖T&短パンスタイルで通ったという。
 その理由は、風呂上がりの清潔な肌に、現場帰りのままの汗に触れた衣服の内側との接触を最小限にしたいということがひとつ。
 それと、浴室から脱衣所にもどったとき、せっかく清潔になった足の裏が、床に接触するため、なるべく足裏を衣類に接触させたくないということだった。前者は自分の不潔さを考えた問題だが、後者は他人の得体の知れない不潔さであり、余計慎重になってしまうのはよくわかる。

 Tさんはまず浴室から出ると、パンツの足を入れる部分にそっとつま先から足が触れないように挿入させる。続いて短パンを同じように履く。これら一連の動作は、はたからみるとスローモーションでバレエを踊っているような態勢になってしまうという…。確かにジーパンならこんな芸当は不可能だ。
 また、Tさんは脱衣セットを入れた容器と二つの洗面器を用意して銭湯にいく。そうして脱衣所のロッカーに容器をいれ、その中に着替えを収納する。当然冬場の衣類一式などとうてい入らない(これもTシャツ短パンででかける理由のひとつだった)。要するにロッカーの六面のいずれにも着替えが接触しないようにするためである。二つの洗面器は、洗い場で身体を洗うときタイル床に置く用と、もう一段上の蛇口に近いタイル部分に置く用。これをある法則のもとに使い分けるのだ。
 話は前後するが銭湯に行く途中には、必ずコインランドリーに寄って作業着などをつっこみ、帰りに持ち帰るのだという…。
 銭湯やコインランドリーでのこれだけの労力や金銭面を考えれば、風呂付き洗濯機付きの生活がまだしも楽で経済的にも思えるけど、これにもいろいろ問題があるらしい。
 長くなるのでそれらはまた次の機会に…。なおオマケにいうと、銭湯帰りは部屋に入る前、靴下の裏をひと拭きふた拭きするそうな。履き替えたばかりの靴下が自分の靴にしばし接触してしまったためである。なんだか涙ぐましい気もするが、こんな話をきくにつけ自分がいかにも不潔さに無頓着な人間に思えてくる。もちろんTさんが部屋(フローリング床)の雑巾がけを毎日欠かさないことはいうまでもない…。

 

↓Tさんがこよなく愛するグレン・グールドのおすすめ音源。

Glenn Gould Byrde & Gibson.wmv - YouTube