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ズートホーン00のこれからどうスラッヂ

「これからどうする?」の土佐弁「これからどうすらぁ?」とMy Favoriteロックンロールバンド「ザ★スラッヂ」をかけて、一時どこかで流行った言葉。そんな、将来への不安をこじらせたような物言いをいまも引きずる、たっすい(頼りない)ブログ。

渡辺紘文監督作品『七日』大田原上映観た

4月24日、大田原市那須与一伝承館で渡辺紘文監督の「そして泥船はゆく」につづく新作「七日」を観てきました。110分モノクロ作品、セリフなし、キャストは監督自身と監督のおばあちゃんの二人のみという設定に、逆に楽しみは膨らんでいましたが、期待にたがわず実験的要素もたっぷり。長回しや執拗とも思える反復。朝起きてゴミ出しに行き、食事をし、牛舎に働きに出て、日が暮れるとともに帰り、また食べて寝る。一見単調に見える生活にもちょっとしたシーンに人間的で、豊かな情緒が見え隠れする。バナナをちぎり、残ったバナナをおばあちゃんの手の届きそうな位置になにげなく置く。たった二人の生活なのにゴミは毎日のように出る。牛舎では牛糞を毎日スコップで集め、ときにふと手で握る。排泄ということと捨てるということが強調される意味。それに反してこたつの下のサイダーが一向に減らないのはなぜか。主人公がひとり孤独に、牛舎の行き帰りを毎日歩くのを、長身の撮影監督バン・ウヒョン氏が息遣いまできこえるようなすぐ後ろから、そしてちょっと高い位置から追い続ける。ひとりなのに温かみのあるシーンに仕上がっている不思議。ヴェンダースロードムービーを連想しつつも、それとは間逆な日々の営みの象徴のよう。音楽監督渡辺雄司氏の音楽は、なぜかコリン・ニューマンのミニマルミュージックのようにもきこえ、映像を輝かせる。こたつの2面のどちらかに座る主人公は、どちらもなぜか右の横顔をキャメラはとらえますが、一度だけこたつの手前にドーンとお腹をだして爆睡する主人公のユーモア。おばあちゃんの最大の見せ場にもなりましたがそれはぜひ見てのお楽しみ。謎かけばかりでおわってあれですが、渡辺兄弟の既成概念をぶち破るかのような冒険心と意欲あふれる本作に敬意を表したいと感じました。

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