生きがい創造舎が主催する料理教室で、必ずメニューのひとつに加えているのがうずらの卵料理。毎回、地元栃木唯一の養鶉(ようじゅん)場である真岡市「海老原うずら」さんから卵をご提供いただいています。ではなぜことさら、うずら料理にこだわるのでしょうか。理由はふたつあります。ひとつは栃木の貴重な養鶉文化(群馬県高崎市とともにほぼ本州最北)を広く知ってもらいたいことがありました。もうひとつは、うずら卵の高い栄養価は知られながらも消費量はひとり年間10個程度(NHK「ためしてガッテン」のデータ等による)という現状にありました。
うずら卵は、中国の漢方薬の古書によれば、朝鮮人参、まむしなどとともにその薬餌的効果が高く評価され、不老長寿の霊薬として珍重されたと伝えられています。また1960年代ごろからフランスを中心に臨床研究が進められ、日本でも大きな問題となっている花粉症をはじめ、アトピー性皮膚炎、ぜんそくなど様々なアレルギー症状の改善に役立つともいわれます。事実息子さんがぜんそくだったという筆者の知人によれば担当医からうずらの生卵を飲ませてみればとすすめられたそうです。
栄養成分でみれば、うずら卵は鶏卵と比較して、ビタミンA・B1・B2・B6・B12・たんぱく質、鉄分、葉酸などがより多く含有され、なかでもB12は5~6倍含まれるなど、小粒ながら高い栄養価を誇ります。一昔前の農家では養鶏とともに養鶉も兼ねることも多く、その家庭ではうずら卵を食することで自然健康増進に役立ったともききます。
以下、横倉輝著「うずら飼育の実際」泰文館(昭和43年刊)より抜粋します。
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「鶉の卵は、鶏卵に比較して、蛋白質や脂肪、ビタミンなどの含有成分が濃厚であり、栄養価が高く、また美味である。」
(中略)
「愛情をこめて親切に飼育すればよく産卵する。毎日産む新鮮で滋味に富む卵を、自家の食膳に供することができ、一家団欒の糧となり、家族の栄養となり、健康増進に大いに役立つ。卵に余剰ができれば親戚や知人への贈り物とすれば喜ばれるし、また生みたての鶉卵として販売することができる。」
(中略)
「この家庭養鶉の仕事は、ご婦人、お年寄りの方や子供達の手で簡単にできることであるが、そのうちでも、小・中学校の児童や生徒の日課として担当させると勤労の美風を養うことができ、動物愛護の精神を引き起こして、情操教育の上にもよい影響を及ぼすことができる。鶉を飼育することによって生ずる利益金は学用品の購入費にあてるか、貯金させるように指導していけば、この家庭養鶉はまことに趣味と実益に富む、よい仕事であると思う。」
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この本によれば家庭養鶉は、一家団欒、健康増進はもちろん児童に勤労の美風を知らしめ、情操教育ともなり学用品の購入費にもなるといいことづくめ(笑)。家庭養鶉はむつかしいとしても、うずら卵の料理は料理教室以外でも今後広くご提案したいと思います。
うずら卵入りミートソース煮
うずら卵ベースのパウンドケーキ(試作品)
うずら卵のホットケーキ
うずら卵入り肉野菜炒め
うずら卵入り鍋焼きうどん
(以上、生きがい創造舎Facebookより。フェイスブックでの記事検索がよくわからなす、ですのでここにも記録します…汗)