2024-01-01から1年間の記事一覧
直筆の行き交ふ時代うららけし取りかへせない投函ひとつ春の宵立春やズレて固まる切手かな左四つ全盛時代冴返る下級生来て卒業の羽根胸元にバレンタインデー先に舟唄歌はれるビー玉の溜まる窪みや春浅し下請けの下請け直に梅の花濃密なとき経て疎遠朧かな(…
戦火と消へし映画フイルムや年忘れ寒椿庭師の大家また庭にレコードの針飛ぶ海や千鳥来る子より孫少なき父や寒卵雪だるまひと文字直し入れ脱稿探梅や面影なにもない戸塚冬菫郵便受けに指伸びる山眠る畳みしままの卓球台自分を出しすぎて海鼠横たはる (自由俳…
一柳慧の旋律千鳥来る活版の文字をなでゐし去年今年元旦の炭酸水の蓋固し元旦や揃はぬ人を思はるる松過ぎて集金はじむ組合費松過ぎのワインに浮かぶコルク屑松過ぎてごはん食べなと猫に声地下のミラノ二階のロマン淑気満つ脱稿やラスト一行淑気満つ (自由俳…