ズートホーン00のこれからどうスラッヂ

「これからどうする?」の土佐弁「これからどうすらぁ?」とMy Favoriteロックンロールバンド「ザ★スラッヂ」をかけて、一時どこかで流行った言葉。そんな、将来への不安をこじらせたような物言いをいまも引きずる、たっすい(頼りない)ブログ。

地下のミラノ二階のロマン淑気満つ

一柳慧の旋律千鳥来る
活版の文字をなでゐし去年今年
元旦の炭酸水の蓋固し
元旦や揃はぬ人を思はるる
松過ぎて集金はじむ組合費
松過ぎのワインに浮かぶコルク屑
松過ぎてごはん食べなと猫に声
地下のミラノ二階のロマン淑気満つ
脱稿やラスト一行淑気満つ

(自由俳句風薫1月投句分)


二階のロマンは、昔あった大井町武蔵野館2階のロマン劇場のこと。最初は日活ロマンポルノの上映を目的としたそうだが、行政の認可がおりなかったため普通の洋画上映館になり名前はそのまま残った。私が見に行って印象に残ってるのは確かヴィム・ヴェンダース「ことの次第」、ロバート・アルトマン「三人の女」の二本立で、見終わって外に出ると、洞口依子が一緒に出てきたのでびっくり。一人で颯爽と映画館を去っていった。伊丹十三ドレミファ娘の血は騒ぐ」や、山田太一ドラマ「時にはいっしょに」などでひそかに注目してた頃。アルトマンを一人で見に来るなんてかっこいいなと思ったのだった。地下のミラノはフィクションですが、イメージとしては池袋の文芸座。オールナイトといえばここでした。
そして、とくに少年の頃、正月映画を見に行くときの高揚感は忘れられない。それはでも、大人になっても大して変わらない。「二階のロマン」になにかしらを期待して、階段を上るとき。その足取りは何にも増して軽かったのでした。。。