ズートホーン00のこれからどうスラッヂ

「これからどうする?」の土佐弁「これからどうすらぁ?」とMy Favoriteロックンロールバンド「ザ★スラッヂ」をかけて、一時どこかで流行った言葉。そんな、将来への不安をこじらせたような物言いをいまも引きずる、たっすい(頼りない)ブログ。

戦火と消へし映画フイルムや年忘れ


戦火と消へし映画フイルムや年忘れ
寒椿庭師の大家また庭に
レコードの針飛ぶ海や千鳥来る
子より孫少なき父や寒卵
雪だるまひと文字直し入れ脱稿
探梅や面影なにもない戸塚
冬菫郵便受けに指伸びる
山眠る畳みしままの卓球台
自分を出しすぎて海鼠横たはる

(自由俳句風薫2023年12月分+α)


私は20代後半位から、川島雄三にハマって上映のうわさがあれば可能な限り見に行き、映画専門チャンネルなどで放映されればすべて録画…みたいな状況が続いてました。でも40代位からぽつぽつと清水宏を見始めて、いつのまにか完全にあっさり清水宏に鞍替えしました笑。小津が、溝口が、山中貞雄が天才と呼んだ男、清水宏。セットを飛び出し、「按摩と女」とスタッフと、東海道を旅するようにロケ。戦災孤児たちと一緒に風呂に入り、子供の背中を流し、ついでのように撮影もして。詩情にあふれた瑞々しい作品の数々。いや、誰にでもわかるこの素晴らしさ、でも他の誰にもできなかったその映像の素晴らしさ。約35年間で164本の作品を監督したそうですが、そのうち現存するのは色々な資料から察するとおそらく半分もないよう。あまりにも大きな損失にゾッとするしかないですが、まだ現存するすべての清水作品を見てるわけではありません。また機会があれば心して鑑賞したいと思います。