ここでも紹介させていただきます。ズバリ母親本デス。はやいもので、戦後60年記念出版として2005年に出版してから7年が過ぎました。
「三つ目の万年筆」
刈谷益子【著】
編集・発行:刈谷吉見
表紙・本文デザイン:片岡理
発売元:そして(SOSITE)
定価:本体1200円+税
(A5判ソフト/176ページ)
2005/8/1 第一刷発行
辺境高知から発信するミニマル文学。そして、静かなる反戦歌。
戦争体験記「東京大空襲」・高知新聞掲載エッセイ62編・自分史・小説・俳句・他多数収録
すらすらと走る文字。もっと丁寧に書きたいと思っても、字がすべり出します。地下に眠るお母さん。外出好きのあなたと昔はよく遠出をしましたねえ。幸せに包まれた二十年間を書き続けます。苦しかった戦後は書かなくていいよと母がつぶやいてるような気がしました。(本文より)
●「あんた、生まれてよかったかね」(益子)。─あれはまだ20代の頃、昼寝でまどろむ俺にふとつぶやくように、オカンから発せされた言葉だった。いったいオカンにそのとき何が去来したのだろうか。それはいまも謎のままだったりするのだが…。てか、とりあえず本書の自分史第2部「東京大空襲」は、当時生き別れした多くの同級生、同僚、同胞たちに捧げられる。そして、奇しくも平成12年の東京大空襲記念日3月10日に49年ぶりに再会したまぶたの子ら(文雄と早苗)に捧げたい。「この本は、刈谷益子という一人の女性の自分史であると同時に、底に流れるのは静かな反戦歌でもあると私は思っています。戦ったのは兵士ばかりではなかったのです」(高知県学校図書館協議会顧問・北村静子─あとがきより)…北村静子先生のあとがきも泣けに泣ける。そして何よりブックデザインを手がけてくれた故・片岡理氏に感謝します。片岡さん、素敵なデザインをありがとう!!! つーことで興味のおありの方はぜひご一報をお願いします。よろよろ。