ズートホーン00のこれからどうスラッヂ

「これからどうする?」の土佐弁「これからどうすらぁ?」とMy Favoriteロックンロールバンド「ザ★スラッヂ」をかけて、一時どこかで流行った言葉。そんな、将来への不安をこじらせたような物言いをいまも引きずる、たっすい(頼りない)ブログ。

あまりにも眩(まばゆ)ひボウイに距離を置き~デヴィッド・ボウイからイアン・ハンターに至る超個人的なメモ

デヴィッド・ボウイの訃報にいまだに動揺している私。ことさらに崇拝、というほどではなかったけれど、70年代に聴いてた音楽の中でも突出した存在のひとりだったし、特別な憧憬を感じてたのは確か。で、いったいどう聴いてきたのかあらためて振り返ってみようと70年代につくったノートを見てみた。

すると最初にエアチェックして繰り返し聴いていた「ダイアモンドの犬」の頃の記録はひとつもない。確かこのタイトルチューンは記憶ではFMではなく、みのもんたがDJだった文化放送オールジャパンポップス20」(実際僕は高知放送で聴いていたが)かNHK第1の「若いこだま」あたりだったかなと。その後NHKFMでアルバム曲もエアチェックしたと思う。ボウイの曲を最初にメモしていたのは76年年頭にオンエアされたNHKFMの「特集番組ヤングジョッキー」。DJは渋谷陽一大貫憲章。このとき「フェイム」がかかり、5点満点で4点をつけていた(笑)。ヤングジョッキーがレギュラー番組となるのは76年4月で、まだ「若いこだま」を集中的に聴いていた頃だ。
以下、メモより抜粋。
・1976.2.14「若いこだま/新譜特集」
「ゴールデン・イヤーズ」(4)
「ステイ」(3)(※カッコ内は5点満点の評)
・1976.2,19「ポップス・ウイークリー」(DJは東郷かおる子
「ゴールデン・イヤーズ」(4)
「野生の息吹き」(4)
・1976.4.11番組名不明(NHKFMのボウイ特集)
「ステーション・トゥ・ステーション」(★5)★は最高評価
「ゴールデン・イヤーズ」(5)
「ヤング・アメリカン」(5)(寸評:LPに入っている方とEPと全然ちがう。LPの方は最高にいい)
「夜をぶっとばせ」(5)(すごいアレンジ)
「ジーン・ジニー」(5)(とてもかっこいい)
「スペース・オディティ」(5)
「TVC15」(5)
「ステイ」(5)
「野生の息吹き」(5)(本当に歌がうまい)
・1976.5.2「ヤングジョッキー第4回」
「ステイ」(★5)(最高にみりょくのある曲だ。Vocalがほんとに感動的に歌うのだ。ほんとにすばらしいと思う。この人は本当に本当にすごい)
・1976.12.26「ヤングジョッキー/76年回想」
「TVC15」(★5)(曲づくりのうまさを象徴している)
・1977.1.7「ヤングジョッキー/新春ロック講座第7回72年特集」
「ロックンロールの自殺者」(5)
・1977.1.30「ヤングジョッキー第42回」
「ホワット・イン・ザ・ワールド」(5)
「サウンド・アンド・ビジョン」(5)
ワルシャワ」(★5)
・1977.3.29「ヤングジョッキー/ハードロックウイークリー」
「スピード・オブ・ライフ」(5)
・1977.5.14「ヤングジョッキー第60回」
「ビー・マイ・ワイフ」(★5)
「サブテラニアンズ」(3)
(イギーボップ(ママ)とデビッドボウイはセンスが合っている。曲にもそれは明らかにあらわれていると思う。(中略)オレもまだボウイのよさはわからない。もう少し勉強して理解したい)
・1978.6.3~4「ヤングジョッキー/プログレッシブ・ロック・ベスト20」
「ウイッピング・ウォール」
(天才ボウイ。ヴォーカルほしいなぁこの曲)

というわけで、こうして見ると予想よりメモは少ないけど、このときに録音したエアチェックテープは当時は暇さえあればきいていた。なにしろレコードを買うお金はないし、ロックを聴く手段は「ヤングジョッキー」を中心にFMできくこと位しかなかった。例えば76年のゴールデンウイークに7日連続でやった「ヤングジョッキーROCK講座」は全69曲(←ロックだから?笑)を記録してるが、「48~53までは寝ていたのできけなかった」なんてメモがある。すべてを録音してたわけではないようだ。また「第18回ヤングジョッキー聴きのがす!一生の不覚!」なんてメモもある(笑)。我ながら入れ込み方がすごい。

イギーとボウイについてのメモはまったく記憶にないけどいいなぁ…。とにかく真剣にロックに取り組んでることがわかるなと。「ステイ」の評価がどんどん上がってるのも面白い。今はようつべで何でも聴きたいときに聴ける時代だけど、この頃に吸収したことの濃度を思うと今よりも幸せな時代だったのかも…。上京してからは確か「レッツ・ダンス」まですべてのアルバムを買っていた。それなりにハマってたけれど、いまでも聴くといちばん血が騒ぐのは「ダイアモンドドッグス」かなぁ。聴いた時代のロックへの飢えみたいなものと衝撃がぴったり合ったというかな。

で、ぼくはルーリードもイギーもライブを観に行ったけど、ボウイは結局観る機会がなかった。あまりにも華麗で眩い存在だったからかな。見たかったけど。10年ほど前だろうか、その時点ですでに半分あきらめていたが、「ライブも色々見に行ったけど、あとイアン・ハンターさえ見れたら、あとは別にもういいかなぁ」などと誰かに話していた。で、去年ついにイアン・ハンターが初来日。1日だけだけど宇都宮からひとりで下北までライブを見にいってきた。知り合いはゼロ。ぼくと同年代の女性が号泣してたな。「All The Young Dudes」では観客も合唱。イアンもあおる。みんなに交じってどさくさで歌っていた。涙出た。あ、イアン・ハンターの話になっちゃったけど…。でもあのとき、おそらくぼくはボウイを体感したんだなあと今は思っている。ボウイ、安らかにね。「本当に本当にすごい」ロックをもらいました。

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(1992) David Bowie+Mick Ronson+Queen+Ian Hunter / All The Young Dudes ~ Heroes