桑名正博&
岩崎宏美主演『ロック・ミュージカル
ハムレット』のCD再発(今年1月ですが)を知り、さっそく購入した。79年7月15日
中野サンプラザでの実況録音盤。この日のチケットも見つかった。当時買ったレコードは所持しているが、CD化は初。ただ
岩崎宏美がヴォーカルをとったソロ曲、桑名とのデュエット曲は、07年に発売された16枚組BOX『
岩崎宏美ROYAL BOX~スーパー・ライブ・コレクション~』のなかの1枚にボーナストラックとして収録されていた。このとき逆に『
ハムレット』としてのCD化は今後ないのだろうとあきらめた。が、今回桑名正博追悼の意味もあり再発となり、胸のつかえがおりた。ちょうど私は79年の4月に
集団就職(嘘)で上京(というか横浜・戸塚の社員寮に入った)したばかり。その3ヶ月後の公演になる。この
ハムレットには、出演者から製作スタッフに至るまで、今や(いや当時からも)音楽業界の大御所達がズラリと顔を揃えた。音楽監修が
筒美京平。音楽監督は
矢野誠。脚本が
中島梓。演奏はティアドロップス!(難波正司キーボード)にブラスセクション、他。作曲陣は京平をメインに
山下達郎、難波正司、
浜田金吾。作詞は
中島梓、
松本隆、小林和子他。オフィーリア役のヒロリ(当時21歳)はこの稽古のためにまるまる1カ月スケジュールをあけたというほどの力のいれよう。公演は6日間で、自分が見た日の実況盤ということでこのアルバムには思い入れがあった。また、京平好きならこのアルバムははずせないはず。達郎作曲の「若いってことは」につづく京平曲、ヒロリ&桑名のデュエット曲「愛はハーモニー」のつやっぽさ、レベルの高さはぞくぞくするほど。そしていちばんの見せ場、セリフ入りの「オフィーリアの子守唄」。リサイタルの定番だった
ドナ・サマーのカバー「マッカーサー・パーク」なみの説得力で迫ってくる。ただただ号泣…。またガートルード金井克子(当時34歳)のすばらしいソロ。
ハムレットの父の亡霊役の岡村宏一、クローディアス
上條恒彦もいまきくと沁みます。そして桑名正博。筒美作曲の「サード・レディ」はリアルで聴き、いまもカラオケ定番な私。再演もかなわない今、桑名ソロ「TO BE OR NOT TO BE」「愛していたのに」などの京平提供曲にもただただ泣けるのでありました。私にとっての70年代最後の光芒だったのかも…。…ズートかく語りき…(笑)。
『マッカーサー・パーク'82』岩崎宏美 - YouTube