ズートホーン00のこれからどうスラッヂ

「これからどうする?」の土佐弁「これからどうすらぁ?」とMy Favoriteロックンロールバンド「ザ★スラッヂ」をかけて、一時どこかで流行った言葉。そんな、将来への不安をこじらせたような物言いをいまも引きずる、たっすい(頼りない)ブログ。

休暇明 刈谷見南國

■小3位の時に親が買った小学館「世界原色百科事典」全8巻をいまだに所有してる。まだ30歳位の頃か、帰省中に本を整理してると不意に母が「百科事典結局読まんかったね…」とつぶやいた。そのときは、ギクッとしたが、いやいや、まだまだこれから読む機会もあるわぇ、などと思ってもみないことも言ったような気もする。親としてはこの百科が教養人の契機となり、いずれは「エラい人」に、などと夢想したのかも…と考えるとやはり感慨深いわけで。そんな無意識的な罪悪感も手伝ってか、あ、そういや兼題で出た天体、とりあえず「月」の項を百科で勉強してみようと頁を繰る。面白かったのは、このころソ連のボストーク、ルナなどの月探査船が次々と月面軟着陸に成功し、月の項の最後は「人類の月面着陸も夢でなくなった」と結ばれていたこと。なんだアポロ前夜だったのか、とこれも感慨。思い出したのは最近読んだ藤原月彦の句「月面軟着陸の昔の月光が」。句末を「が」と寸止めすることで、その光が今も存在するわけなどないのに、俳句では読み手に届くわけだし且つ疑似的に体感することすら可能。着陸より軟着陸としたのも、はるかにリアリティがあり、説得力の高い句として文字通り着地できるからだと見た。と、そんなわけで最後は俳句鑑賞になってしまいました汗。俳句はいかに個人的に鑑賞できたかが結局面白い。
■今回の10句は「自由俳句風薫」2021年9月句会(通信句会)の発表句です。兼題は「秋の天体を詠んだ句を1句は入れる」でした。

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